reach for you-2 (ページ7/16)
ずっと自分なんか消えてもいいんじゃないかって思ってた。
フワッと消えたところで誰の気にもとめられないと思ってた。
なのに。
シカマルは気にしてくれてた。
今ここで好きだなんて言ってくれた――。
なんて表現したらいいのか、よくわからなくて、それでもすごく嬉しくて。
私は、燃えさかる炎の中で無気になって木を蹴り続けるシカマルに、ありがとうって言おうとした。
「シカ……」
私が口を開いたその時。
グギィ……ダガアァァーン!!
「「――!!」」
炎によって脆くなった周りの木が、私たちの近くに倒れてきた。
慌てて辺りを見渡せば、もうどの木も激しく燃え落ちていて、いつ倒れてきてもおかしくない状態だ。
二人、息を飲む。
その耳に、
ミシィ……。
他の木が嫌な音を立てた。
「あの木が倒れてきたらヤベェーな」
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