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シカマルが炎に照らされて、いつもより赤く染まった顔で見上げてくる。

「名無子……」

賢いシカマルには、言葉足らずな私のセリフでも、十分私の気持ちを理解出来るらしい。
わかったよ、って呟くと、煤で汚れた口角を意地悪くニヤッと引き上げた。

「お前、明日、絶対ェ俺と一緒に遊べよ?」

え、明日、遊ぶ?
シカマル、こんな時に何言って……。

何の脈絡もないシカマルの言葉にそう言おうとして、私はハッと口を閉ざした。
二人とも助からないかもしれないこの状況で、暢気に明日の約束を口にするってことは。
シカマルは助かる気でいるんだ。
絶対ェ諦めねぇ、二人とも生きて帰るからなって、きっと、シカマルはそう言ってるんだ。
そして、いつも通り、明日という日を迎えようって、そういうことなんだ。

シカマルは諦めちゃいない。
だったら、私も諦めない。

「うん、必ず明日一緒に遊ぼう」

私は力強く言い切ると、シカマルの思いに頷くように唇をぎゅっと結んで、ありったけの力でシカマルの上に横たわる木を押し続けた。
シカマルも自由の利く左足でガンガンと木を蹴りつける。
蹴りつけながら、シカマルが声を張り上げた。



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