reach for you-2 (ページ2/16)
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「そーゆーわけだから、もしその場所離れたりしたら、今、木の下敷きになってる仲間、すぐに殺すよ?」

ギリッと、私は奥歯を噛みしめた。

狂ってる――。
私たちが焼け死ぬのを見てるですって?
何考えてるの、コイツ……。

あまりの異常さに、気持ち悪さを通り越し腹が立つ。
私は、一生懸命木の下から体を引き抜こうとしているシカマルに目をやった。

これじゃあ、動きようがない。
シカマルを一人になんてできないもの。

私は倒木にかけている両手にまた力を込めた。
シカマルは私をかばって木の下敷きになってしまった。

私のために。
私なんかのために。
私を助けようとなんてしたから――。

再び必死に木を押し始めた私の胸に、シカマルの真っ直ぐな眼差しが思い浮かんでくる。
大丈夫か? って心配してくれて、私のことを思いやってくれる穏やかな視線。
草原で一人でいるときには、いつもそばに来て一緒にいてくれたシカマル。
今は私のために体まではってくれた。
そんなシカマルの姿に、

シカマル――。



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