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何、この匂い……?

私はシカマルをかばいながら、男の殺気に負けないよう拳を握りしめて、樹上を見上げた。
そんな私を、男は気味の悪い笑みを浮かべ、ただただ見下ろしている。
そして、楽しそうに口を開いた。

「これから君たちには死んでもらうから」
「何をッ……」
「油の匂いしてるでしょ? 君たちの周りの木に僕が油をまいといたよ。それに火を点ければ、林の木もろとも君たちも焼けちゃうってわけ。簡単でしょ?」

男のその言葉を私は強気にせせら笑った。

「アンタ、バカじゃないの? ここにあるのは枯れ木じゃないのよ? 生木がそんなたやすく……」
「燃えないって? うーん、そうかも。でも、誰がそんな普通に火を点けるって言ったよ? そんなわけねぇーじゃん。火勢を強めれば生木も焼けんだろーが」

バカはお前だと言うように、男はクッと笑った。
薄ら笑いのくせに異常な殺気を秘めていて、私は声を出せなくなる。
そんな私の前で、男が何かの印を結び始めた。
手際よくいくつもの形を重ね、最後の一つを結び終えると、

「そんじゃ、そろそろ逝ってもらおーか!!」
「――ッ!!」

男の口から火遁・豪火球のような莫大な炎の塊が吐き出され、あっという間に私たちの周りは炎の柱で円状に取り囲まれた。




to be continued.
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