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え?
ダメ?
何が?

「違う! そいつ、本人じゃねぇーー!!」

影を離し、駆けよるシカマルの叫びを聞きながらも、すでに宙に浮いてしまった私はどうすることもできず、そのまま敵に蹴りを入れる。

ポフンッ。

――影分身!!

男の姿が目の前から煙のように消えた。
その瞬間、ものすごい殺気と共に巨大な大木が私に向かって猛スピードで倒れてきた。

なによ?!
本体はアッチってこと?!

大木の後ろに隠れていた本体が、罠にかかった私目がけてその木を蹴り倒してきたようだ。
でも、それを理解したところで、

ダメ、よけきれなっ……!!

そう思って目を閉じたとき、体に衝撃が走った。
ダンッと体が飛ばされて、私はズシャァァァーーと地面に転がった。
何事かと驚いて目を開ければ、私の視界にシカマルが映る。
その姿に私は息を飲んだ。
シカマルの、巨木の下敷きになって倒れている姿。
自分の瞳が脈打って、景色が揺れるのがわかる。



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