reach for you-1 (ページ8/12)
気配を断った私たちは、うまい具合に敵の男の後ろに回り込んだ。
男にはまったく気づかれていないようで安心する。
これでイケる。
私の隣でシカマルは、両手を組むと静かに自分の影を伸ばし始めた。
影はスルスルスルと音もなく敵の背後に忍び寄る。
それを見ながら私は、
だったら、シカマルの影がアイツを捕まえる瞬間に飛び出して攻め込もう。
と、飛び出すタイミングを計り始めた。
5……4……3…。
シカマルの影が敵との距離を縮めていく。
あと少し…2……。
1ッ…!!
バッと隠れていた木から飛び出して、敵に向かい地を蹴った。
その私の後ろ姿に、
「名無子! ダメだ、戻れ!!」
何かに気づいたらしいシカマルの声が届いた。
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