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地上に目を向けた一瞬、その視界に低木の茂みを移動する影が映って、

――いた!

同時にシカマルの声が届いた。

「あそこか」

シカマルも私と同じ茂みを見ている。
私たちのいるところから、たいして離れていないものの、その茂みの場所は攻めにも守りにも転じやすい間合いだ。
こちらとしては何とも動きづらい。
でも、きっと今、私の横で、シカマルの頭脳はデジタル的な速度と正確さでこれからの行動を計算しているはずだ。
私はシカマルの言葉を待つことにした。
ほんの数秒足らずで、シカマルが即座に判断を下す。

「気配を完全に消して移動する。アイツの背後に回り込もう」

了解。

私が目でそう頷くと、その視線を受け止めて、

「行くぞ」

シカマルが木から飛び降りた。





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