reach for you-1 (ページ5/12)
頷きつつシカマルを見ると、真剣な目でこちらを見返された。
その目が、大丈夫か? って言ってるのがわかる。
心配してくれなくても大丈夫だって。
これでも私も中忍なんだから。
ちゃんと戦える。
そう思って、私はシカマルの問いに気づかないフリをした。
視線を前方に移す。
その目にうっすらと影が映った。
二つの影が樹上を移動してこちらに向かってくる。
きた――。
私たちは息を止めるようにして先輩の合図を待った。
どんどん大きくなる人の姿に、先輩がジッとその人相を確かめている。
そして。
アイツらだ!
行くぞ!
先輩がこちらに視線を走らせると、手でクイッと奴らを示し、攻撃のサインを出した。
了解!!
私たち三人が一斉に樹上から飛び出そうとしたその時、前方の二人がいきなりパッと左右二手に分かれた。
え――?
戸惑う私の横から、すかさず先輩の指示が飛ぶ。
「マズイ、奴らに気づかれていたようだ! 俺は左のヤツを追う! お前ら二人で右のヤツを頼む! 散ッ!!」
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