EMERGENCE-2 (ページ9/14)
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「さっきから慣れねぇ敬称やめてくんねぇ? マジ気持ち悪ぃー」
「あ、胸やけなら胃薬が……」
「いらねぇよ! 胸やけしてねぇーよ、そーゆー気持ち悪ぃじゃねぇーよ!!」
「あらら、それじゃぁストレスですか。我慢してるとそのうち胃に穴が開いちゃうよ? 胃だけじゃなくて頭もくるよ? ハゲという名の世界大戦勃発だよ?!」
「黙れぇぇ!! お前の存在がストレスだぁーー!!」

そう言うとシカマルは道の前方を顎で指した。

「俺んち、この先だろーが。家帰るとこだよ」

あ、そうか。
言われてみれば、この道抜けてもシカマルは帰れるんだっけ。

「お前は何やってんだよ、こんなとこで?」

シカマルの視線が私を刺す。

「ハイ? 私? あーー……私は、アレ、その、アレだよ、アレ。迷える子羊を探しにちょっと。ハレルヤーー!」
「ハレルヤじゃねぇよ! なんの新興宗教だ、お前は?! 救世主みたいな顔してんじゃねぇよ!!」
「そこの迷える鹿男、私をメシヤと呼んでもいいよ?」
「誰が鹿男だぁぁぁ!! お前がメシヤじゃ世界が滅ぶわっ!!」

シカマルが呆れた顔で歩き出した。

しまった。
シカマルが行ってしまう……。
私の用はこんな子羊ネタではナイんだ。

「あの、シカマ……」

慌てて話しかけた私の言葉をシカマルが背中越しに遮った。



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