EMERGENCE-2 (ページ8/14)
私たちが里に戻ってきたのは西の空が真っ赤に染まった夕暮れ時だった。
洞窟内の忍たちは、ネジさんの言葉通りリーさんとネジさんでケリをつけてくれ、捕縛することができた。
その二人に私が捕まえた一人を加えて火影様に引き渡し、今日の任務は無事終了した。
負傷したテンテンさんも自力で帰れる程度にまで傷を回復させ、すでに里の病院にいってもらってる。
そして、私はというと。
シカマルの姿を探していた。
けど。
いない――。
シカマルのいそうな場所を探し歩いているのにいない。
全く会えやしない。
「だあぁーもう、どこ行ったんじゃぁーー!!」
人気のないのをいいことに、私は畑の真ん中に延びる田舎道で、空飛ぶカラス目がけて叫び声をあげた。
「うるせぇーなぁ。静かに歩けよ、名無子。」
ッビクゥ!!
突然かけられた声に私は文字通り、両腕を体に引きつけ片足まで丁寧にあげて、ビクッとしたポーズを取ってしまった。
「シ、シ……シカマルさま……」
後ろからまさに今、私が探しているその人が近づいてくる。
「あん? なんだよ、サマ付けなんかしやがって。気持ち悪ぃーなぁ。で? 誰がどこに行ったって?」
マヂ聞かれてたんスか、私のセリフ!!
「いやいやいやいや……シカマルさんこそ、どちらへお出かけで?」
私は揉み手しそうな勢いでへりくだり、焦りをごまかした。
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