EMERGENCE-2 (ページ6/14)
『守ってこいよ。お前の仲間も』
シカマル……!
『守ってこいよ。お前自身も』
シカマル――!!
湿り気を帯びた自分の手の平が地面の黒い土を握りしめる。
自分の両腕に、全身に、力を込めて、踏みつける女の足もそのままに、私は体を持ち上げた。
「――何?!」
息を飲んだ女に向かって、私は射殺すような視線を放った。
負けるかッ。
こんなふうに、潰されて、諦めて、
「負けてたまるかアァァァアーー!!」
女の体をはじき返すように立ち上がると、私はありったけのチャクラを右手に集め一気に踏み込んだ。
私の豹変ぶりに驚愕し、恐怖している女に向かって思いきり拳を叩き込む。
胸の中心、胸骨の砕ける鈍い感覚が伝わって。
女の体は崩れ落ちた。
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