EMERGENCE-2 (ページ5/14)
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ギシギシと軋む自分の頭の上から声が降る。

「アンタみたいな情けない忍の命取ったところで何にも面白くないわ。弱すぎだよ、アンタ。それでもホントに忍?」

ダンッと私の頭を一際強く踏みつけた後、女の忍は私の左腕に巻き付いている額当てをググッと踏みにじった。

「一人前に額当てもらってるけどさ、こんなのもらうにはアンタまだ早すぎんだよ」
「――」

私の虚ろな眼にも額当てが女の泥だらけの靴で汚されていくのが映る。

シカマルの額当て。
シカマルが貸してくれた大事な額当て。
それを。
この女……。

くやしくて、私はギリッと唇を噛みしめた。
くやしくて。
この女の仕打ちも。
自分の無力さも、自分の諦めも。
全てがくやしくて。
全てがムカついて。
噛みしめた唇から微かに鉄の味が広がった。
自分の呼吸が荒くなっていく。
どんどんどんどん速まる心音と共に、私はいやでも自分の呼吸を感じ始めた。

息を吸って、息を吐いて。
……そうだ、私はまだ生きてる。
私の仲間もまだ生きてる。
テンテンさん、リーさん、ネジさん――。



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