EMERGENCE-2 (ページ4/14)
そう思った瞬間、フッと相手のクナイの力が弛んだ。
「え……?」
手への重圧が楽になった私の油断を見越して、女が脇腹へ蹴りをくらわせる。
ろくにガードも出来ずモロにくらって、私の体が地面に転がった。
「う、く……」
「ほら、早く立ちなよ。こっちの子、守るんじゃなかったっけ?」
そうだよ……。
テンテンさんを守らなきゃ――。
立ち上がろうとする私を女の足が容赦なく蹴り落としてきた。
「グッ……!!」
「ほら、どーした、サッサと立ちなって」
そう言いながら、女は弄ぶように何度も何度も蹴りつけてくる。
ガッ、ドスッ、ゴッ、ガッ!!
「ほらほら」
「ク……ウッ……やめ……」
「やめろ? やめろだって?! アハハ、そりゃ傑作!!」
女の足が私の後頭部を踏みつけて、私の顔を地面に擦りつける。
「クハッ……」
「情けないなぁ、もう命乞いするなんて」
蹴られた体の痛みと頭を押さえつけられている状態に私の戦意が目に見えて下降する。
どうしようもない諦めがどんどん体を支配していく。
テンテンさん……。
リーさん、ネジさん……ごめんなさい。
私はやっぱり弱々のダメダメで、みんなの命守るなんて、そんな立派なことできないらしい。
もっと修行すれば良かったんだ……。
シカマルの言うこと、ちゃんと聞いて。
シカマル……。
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