意外と賢さ-3 (ページ8/11)
そう予想したシカマルは、Dランクの任務を中心に依頼書をめくり、あの子の親に辿りついたのだ。
火影邸に向かう道すがらシカマルが教えてくれた経緯を思い出し、名無子は小さくなっていく親子の姿を見つめる。
その顔はどこかしら寂しげなものだ。
シカマルが名無子の顔を横目に眺めた。
「寂しいんじゃね?」
言われた言葉にドキリとしつつ、名無子が慌てて反論を試みる。
「バッ、バカか、そんなわけあるか!!」
「ふぅーん」
名無子がムッとした顔で、ポツリと漏らす。
「それにしても、お前……ほんと頭いいな」
シカマルの手回しの良さには心底感服だった。
だからこそ、珍しく素直にそう口に乗せたのだが、シカマルからは、
「お前は意外と人がいいよな」
「だから、『意外』は余計なんだよッ!!」
キィッと叫ぶ名無子にシカマルが言葉をつづける。
「まぁ、でも、不良で人がいいって言うのはアレだよな……」
「アレってなんだよ?」
「あー、なんつぅーか……悪くねぇ」
――え?
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