意外と賢さ-3 (ページ7/11)
 bookmark?


「どうもありがとうございました」

深々と頭を下げる二十代半ばの女性を前にシカマルと名無子も軽く会釈を返す。
女性の腕の中には、先ほどまで名無子の背中におぶられていたあの男の子が抱かれている。
女性は大事に大事に男の子を抱きしめ、もう一度頭をさげると、火影邸の出口から里の中心街に向かって歩き出した。
その背を見送りながら、名無子は少し目を細めた。
木の葉腐亞違亞利武頭と砂の燦土跋化図の紛争が一段落したあと、シカマルは名無子を火影邸まで連れてきた。
なぜなら、

「え? 赤ん坊の親を見つけた?」

火影邸に向かう道の途中で、名無子はシカマルの顔をマジマジと見つめた。
シカマルがチラリと名無子を見て、すぐに前を向く。

「あぁ、そうだ。昨日、俺が調べておいた」

昨日、火影邸に呼ばれたシカマルは、他の忍と一緒に今日勃発するという木の葉と砂の不良チームの抗争を止めるよう任務を受けた。
当初、情報が不十分だと言われていたのは、この抗争が実際に起きるのかどうかという点で、それに関してはシカマルが名無子たちの集会で得た情報が役に立った。
そして、任務の話が終わってから、シカマルは綱手にあることを願い出た。
それは、里に依頼された任務の依頼書を見せてほしいということだ。
名無子が拾った男の子が迷子であれば、きっと捜索願いの依頼がきているはずだ。



(ページ7/11)
-7-
|
 back
select page/11

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -