意外と賢さ-3 (ページ6/11)
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顔が熱いのは赤面しているからなんだろう。
名無子は慌てて辺りの景色に目を向けた。
耳にはシカマルのよく通る声が響く。

「ここにいる者はただちに解散するように。火影命令だ。逆らうことは許されねぇ」
「なんだと、コラァァア!!」

動けぬまま、それでも反抗の叫びをあげる砂の男に、シカマルが鬱陶しそうに答えて返す。

「木の葉と砂は今は同盟国だ。不良のお前らの抗争もあんまり派手にやるとお咎めがあるんだよ。さっさと大人しく退散しろ。それとも……」

シカマルが不敵に口角を引き上げた。

「木の葉の忍に潰されたいか?」

名無子にもシカマルの言葉は嘘ではないとわかった。
周囲を見回す自分の目に、この草原を取り囲む忍たち十数人が見えている。
必要さえあれば、彼らはすかさず力づくという強硬手段にでるだろう。
人数こそこちらが勝っているものの、忍と不良では力の差は歴然だ。
十数人であっても忍達は簡単にふたつの不良チームくらい蹴散らしてしまうに違いない。
噛みついた男や他の仲間、そして、名無子の仲間たちも、シカマルの言うことは理解できた。
次第に皆、武器を握る手を力なく落とし、どこか戦意を消失した空気が辺りに漂いはじめる。
シカマルが肩で息をつき、印を組む手をほどいた。

「さぁ、全員、散った、散った」

シカマルの他にも忍達が特攻服姿の連中を次々、草原の外へと追いだしていく。
不平不満を漏らしながらも、不良たちは大人しく従った。






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