意外と賢さ-3 (ページ3/11)
得物同士が派手な衝突音をあげてぶつかり合う。
金属バットや竹刀、ヌンチャク、ナックルなど、おのおの使いなれた武器を手に、皆、敵対するチームの連中へと容赦なく打ちかかっていく。
そんな中、名無子もまた、木刀を片手に暴れまくっていた。
左から跳びかかってきた男の棍棒を容赦なく打ち払い、そのまま今度は木刀を横なぎにして辺りの奴らを弾き飛ばす。
名無子が木刀を振り回しながら、声を大にして周りに群がる砂の連中を威嚇した。
「燦土跋化図ッーー!! この間の借りはきっちり返させてもらうぞ!!」
しかし、威嚇は思うほど効果を為さなかった。
というのも……、
「っつぅーか、アイツ、なに背負っちゃってんの?」
「いや、マジ、あれ、赤ん坊じゃね?!」
「うわ、有り得ねぇー!! なんでそんなもん背負ってんだよ?!」
仲間からも指摘された背中の子供を、当然、砂の燦土跋化図が突っ込まないわけがなかった。
名無子の攻撃怖さにある一定の距離を保ちながら、それでも砂の奴らはバカにした顔で名無子を眺めてくる。
名無子は、チッと舌打ちし、木刀を握る手に力を込めた。
「バカにできるのも今のうちだ、ボケ。こんな恰好の私に負けたらシャレにならねぇーぞ、お前ら」
低く唸ると、名無子は木刀を振りあげた。
まずは正面の男に飛びかかり、肩口から一発、木刀をお見舞いする。
そこから左に振り抜き、隣にいた奴の太ももをしたたかと打ちすえた。
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