意外と賢さ-2 (ページ6/9)
あのシカマルとかいうヤツは頭の回転がやけにいいみたいだ。
名無子は迷子らしき男の子をおぶりながら、そんなことを考えていた。
あれから、名無子とシカマルは、林道を右と左に別れ、それぞれのべつの方向に向かった。
男の子はもちろん、名無子に押し付けられている。
「俺はこれから火影邸に任務のことで呼ばれてんだ。ガキ連れていけるわけねぇーだろ。それにさっきも言ったが、拾ったのはお前なんだ。お前が連れて帰るのが道理だろーよ」
シカマルにそう言いくるめられ……と言っても、シカマルにしてみたら普通に自分の権利を主張しただけなのだが、とにかく、そんな台詞を突きつけられた名無子は残念ながらその意見を覆しようもなく、このお子ちゃまを家に連れて帰る破目になった。
火影邸の任務依頼所に預けるという手段も考えなかったわけじゃない。
しかし、それを思いついた瞬間、シカマルが口を開いた。
「お前、木の葉の任務依頼所に駆け込むとか、せこいこと考えてねーよな? ま、行ったところで万年人手不足の機関だ、今日のところはお宅で預かってくださいとかなんとか言われて、追い返されるのがオチだろーけどな」
「…………」
名無子の思惑はあっけなく砕かれた。
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