意外と賢さ-2 (ページ1/9)
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「俺を巻き込むなよ……」

先ほど二人が出会った小道の脇で、苦い薬でも飲んだような顔で言ってのけたのはシカマルだ。
しかし、これまでの状況を顧みれば、そのくらいの顔していい権利は充分持ち合わせているというものだろう。
シカマルは足元でよろよろしながら立っている男の子を名無子のほうへ押しやった。

「確かにそのガキ返したぞ」

そんじゃ俺行くからな、と言い捨て、シカマルが立ち去ろうとする。
しかし――。

「オオ、オイッ!! ちょっと待て!!」

この騒動を巻き起こした張本人名無子が、シカマルのベストをひっつかみ、その背に必死に食い下がった。

「オ、オオ、オマエもパパとか言われてたろうが、このガキに!! つ、つまりだ、オマエにもコイツを面倒みる責任がある!!」
「はぁ? なんだ、その言いがかり?」

シカマルは心底めんどくせぇーとため息をつき、名無子をうっとおしげに見つめた。

「バカも休み休み言えよ。お前はこのガキの母親でも、俺は父親じゃねぇ。面倒みる責任なんかどこにもねぇーだろ」
「いやいやいやいや、誤解してるぞ!! 私だって母親なんかじゃナイんだ!!」
「あぁ?! 母親じゃなきゃなんなんだよ」
「単なる通りすがりだ!!」
「あー、もう、意味わかんねぇ」
「だから、拾ったっつぅーか、なんつぅーか。一服しようとしてたらいきなり足にしがみつかれたんだよ!!」



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