意外と賢さ-1 (ページ9/11)
動揺すさまじく、しかし、何か言わねばとどもりまくって名無子は答えた。
「お、おめぇら、な、なななな、なにジロジロ見てんだよッ。っつぅーか、なんか勘ぐってんだろ、あぁ?!」
「いえ、別に俺たち何も勘ぐってませんけど? なぁ?」
「えぇ」
車座の連中がキョトンと互いに顔を見かわしている中、ふと、そのうちの一人が訳知り顔で、あぁ、と声をあげた。
「そっか、そっか、そうだったんすねぇ」
得心声のソイツがニヤリと笑った。
「総長、子持ちだったんスかぁー」
違ぁぁぁああーーうッ!!
「いやいや、違う、子持ちじゃ……」
「えー、マジっすか、総長!! いつの間に子供なんか!!」
「だから、違ッ……」
「じゃあ、その方が総長のお相手? あー、俺、はじめまして!! ホントいつも総長にはガチで世話になってます!!」
挨拶をするなぁぁぁああーー!!
それ、さっき初めて会った人ッーー!!
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