意外と賢さ-1 (ページ8/11)
それはまぎれもなく、
あぁぁぁッ、さっきの男ォォオーー!!
なんと言っていいものか、脳みそを真っ白にしながら口だけあわあわ開け閉めしていると、男は頭のてっぺんで結わいた髪を、肩車したお子ちゃまに引っ張られながら、眉間にしわを寄せた不機嫌な表情で名無子を睨みつけた。
「ガキ押しつけてサッサと行方くらましてんじゃねぇーよ」
シカマルは、ほらよ、と子供を肩からおろし、名無子の前に差し出した。
「渡したからな」
「あ、いや、あの……」
抵抗することもできず、男の子を受け取ってしまうと、その様子見ていたまわりの連中が訝しそうに首を傾げた。
「え、ってか、総長?」
「誰ッスか、ソイツ?」
「そのガキ、なんなんスか?」
「え……えーっと……」
っていうか、誰とか何とか言われてもぉぉおーー!!
心の中で叫ぶ。
私だって知らねぇっつぅーの!!
だって、さっきいきなりこのガキに足に抱きつかれて、そんで通りがかったこの男に無理やり押しつけてきただけだし!!
詳しい因果関係なんて、私、知りませんッ!!
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