意外と賢さ-1 (ページ7/11)
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木の葉腐亞違亞利武頭八代目総長名無子。
そう呼ばれるようになったのはいつからだったろうか。
先代の目から見ても、このチームの中で一番強かった自分は女でありながら八代目総長の座を任された。
さらしに白の特攻服、真紫の長い髪を揺らし、得物の木刀で誰彼構わずなぎ倒す名無子の姿は男であっても震撼させる。
おかげで今ではこの名もずいぶん広く轟いた。

「総長」
「総長!」

まわりに集う連中の指示を欲する声が多くなる。
名無子は目頭に力を込めて、輪になって座る部下たちの顔を眺めまわした。

「燦土跋化図には借りがある。前回の戦いでこっちは相当な負傷者を出した。その借りを返すいい機会だ」

名無子の視線を受けた面々が力強く頷く。
名無子がひと際、険しい声を張り上げた。

「お前ら、暢気にしてる場合じゃねぇーぞ!! こっちも奴らを迎え討ちだ、こらぁぁあーー!!」

うおぉぉぉおおおーー!! と名無子に呼応する声が次々にあがる。
と、そのとき、背後からヤル気皆無の呟きが聞こえた。

「誰を迎えるんだか知らねぇーけどよ、まずはこっちを迎えに来いよ」

え?

どっかで聞いたがなじみのナイ声に名無子はハッと振り向いて、そして、息飲んだ。
自分の背後に立つ男。
1〜2歳の男の子を肩車してめんどくさそうな顔で名無子を見下ろしている。



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