意外と賢さ-1 (ページ6/11)
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野原の端っこにガラの悪い連中が車座になってしゃがみこんでいる。
色とりどりの特攻服がならぶその一団は、木の葉に君臨する不良グループ腐亞違亞利武頭。
その中で名無子は低い声でうなった。

「情報は、本当か?」

問いかけられた対面の男は物凄い勢いで首をブンブンと縦に振った。

「マジっすよ!! 巡回の野郎二人が速攻寄こしたんス。火の国国境を越えて砂の奴らがこっち向かってるって!!」

砂の……燦土跋化図(サンドバッカーズ)か。

名無子は奥歯をギリッと噛みしめた。
砂隠れの燦土跋化図は長年、腐亞違亞利武頭と対立している強豪チームだ。
ことあるごとに争い、宿敵とも言うべき存在である。
その連中が今、こちらの陣地にやってこようとしている。
きっと、前回、勝負のつかなかった抗争にケリをつけるためだろう。
奴らの狙いが自分たち腐亞違亞利武頭であることは明らかだった。
右から隣に座る仲間が顔を覗き込んできた。

「総長、どうします?」

名無子は目だけをそちらに向けると、問いかけてきた男の視線を静かに受け止めた。

総長――。

そう、それが今の自分の呼び名だ。



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