意外と賢さ-1 (ページ3/11)
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「ちょ、ちょっと、おまッ……離れろって!!」

名無子があたふたと慌てながら自分の足から子供の手を引き剥がそうとする。
しかし、その子はその子で名無子の足から離れまいとするかのように、ことさらしっかりしがみついてきた。

「なッ……っつぅーか、離れろよ、マジで!!」
「あー、マァマァー」
「は? はぁぁあーー?!」

聞こえた言葉に絶句した。

ママ?
ママだとッ?!
何ぬかしとんじゃ、このガキはぁぁあッ!!

「誰がママだ、ボケぇぇえ!! 私はまだ未婚だッ、彼氏だっていないんだ、こらぁぁあーー!!」

言わんでいいことまで叫びながら、名無子はジタバタともがくようなかっこうで、無理やりお子ちゃまの両手を引き剥がす。
男の子は不満そうに「あー、あー」と声をあげた。

「あーあー、じゃねぇーんだよ!! さっさと離れやがれッ!!」



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