Happy 10 minutes (ページ4/5)
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え――?

ポスンと私の体がネジの胸におさまる。
驚きのあまり、反応不可になっていると、ネジの体に密着した部分からじわじわと彼の熱が伝わってきた。
すごく心地よい温かさ。
確かに稽古後の汗ばんだ感じや匂いがないわけではない。
でも、それは嫌だというよりもなんだかネジの男らしさを増長させるようで私のドキドキさを高めるだけだった。
私は体の硬直を解き、思わず頭をネジの胸に預けた。
ネジの腕に若干、力がこもる。

「今日はカイロ代わりに俺があっためてやる」

耳元をくすぐるネジの声に、幸せすぎて目をつぶった。

「じゃあ、明日も明後日もこの先ずぅーっとカイロ忘れちゃう」

だって、そしたら、ネジがこうしてあっためてくれるんでしょう?

私のずうずうしい申し出にネジはクッと喉を鳴らして、

「ダメだ」

優しく囁いた。
寒い冬の空の下、誰もいない校内裏手の道場前。
あと、少しで校舎には8時を告げる鐘が響き渡る。
私たちはその鐘の音が鳴るまで静かに抱きあっていた。





for dear MIA.
20111226
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