our pleasure (ページ6/7)
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だからキミは僕のところに来るのか。

いいことがあると真っ先に僕のところへ来てくれる名無子。
そうして僕をどこかへ引っぱり出そうとする。
その気持ちがどことなく計り知れるような気がして、僕はなんだか嬉しくなった。

「僕も名無子が食べたいものなら何でもいいよ」
「えー、それじゃあ決まらないじゃない」
「いいんじゃないかな。お店見てるうちに決まってくるよ」

ひとりじゃないのだから。
ふたりでならきっと楽しく決められる。

僕の返事を聞いて一瞬キョトンとした名無子は、少し首を傾げたあとすぐに笑顔を取り戻した。

「それも、そっか。じゃあ、早くお店見に行こう!」

名無子が僕の腕を引っ張る。
朝この雪景色を見せようと僕の腕を引っ張った時のように顔を輝かせて。
そんな名無子に僕も置いていかれないよう急いでついていく。

僕を引っ張るキミの腕。
慌てて踏み出す僕の足。
ふたり一緒に行く先には、いつだって、
――必ず僕らの楽しさがある、ね。





for dear SOGETSU.
20111222
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