君ニ捧グ-2 (ページ3/15)
私、なんかやったかなぁー?
火影室の前でもう一度自問を繰り返し、
いや……無いって。
なんも心当たり無いって。
そう心を励まして、私は火影室の扉を開いた。
「あぁ、名無子、悪いな、呼び出して」
ビクつきぎみに入室した私に、綱手様から声がかかる。
「いえ、大丈夫です」
火影様のいつも通りの声音に、怒られるわけではなさそうだとひとまずホッとする。
と、なると一体……?
なんの話かしら、と首を傾げる私に、火影様が封筒ほどの大きさのパンフレットを一枚渡してきた。
「火影様、コレは……?」
「お前、そこで修行する気はないか?」
「は?」
私は慌ててパンフレットに目を落とした。
表紙には、海を臨む高台に建てられた宿泊施設らしき建造物が描かれている。
どうやら火影様は、ここに修行しに行かないかと言っているらしい。
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