続きの仕方 (ページ9/11)
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中身はたいしたものじゃない、ホワイトデーのお返しによくある単なる飴の詰め合わせだ。
それでも名無子は、美味しそうねぇ〜とさっそく袋に詰められた飴のひとつを取って食べようとする。

「カカシも食べる?」

自分の口に入れる前に名無子が俺に聞いてきた。

「あぁ、一個くれる?」

俺は貰った飴を口に放り込むと、隣に立つ名無子の腰を引き寄せた。

「ねぇ、飴なら俺が食べさせたげるよ」
「なによ、急にぃ」

俺の腕にウェストをホールドされたまま名無子が俺の顔を見上げる。

「作品も無事できたことだしさ、さっきの続きしよ……?」

俺は普段布の下に隠れている唇を露わにし、名無子の唇に押し付けた。
バレンタインの時は触れるだけのキスだった、でも今日はもっと深く口づける。
俺は舌先で名無子の口内に飴玉を押しこむと同時にそのまま自分の舌をも侵入させた。
互いの口に広がる高糖度の粘つく甘みがやけに自分の中心を興奮させていく。
俺は彼女の舌先を逃がすまいとするように自分のそれで追いかけ絡めた。
俺の舌が名無子の口内を、唇を、舌や歯を舐めあげて、名無子の熱を伝えてくる。



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