続きの仕方 (ページ6/11)
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「名無子……」
「ちょっと、陶芸の途中に……」
「こんな体勢で何もしないでいるのは拷問」

異様に体温が上昇していく。
俺は腕の中の柔らかな感触に囁きかけた。

「もうわかってるだろ、俺の気持ち」

なんと答えようか迷ったのだろうか、ほんの少し間を開けて名無子が答えた。

「……わかってるわよ……この間のバレンタインの時に、気づいたから」
「じゃあ教えてよ。今度は、名無子の気持ちをさ」
「別に……嫌いじゃ、ないわよ」
「それって俺とつきあってくれるってこと?」

名無子の足が離れ、惰性でカラカラと回っているだけのろくろの音がやたら響いて聞こえる。
二人のまわりに落ちた沈黙が痛いほど体に刺さって、俺は名無子を抱きしめる腕に力を込めた。

本当にヤバイかもしれない。

名無子に拒絶されたところで、俺はこのまま名無子を押し倒して襲ってしまいそうだ。
はち切れんばかりの情欲を抱えた俺の腕の中で名無子がほぅッと息を吐き出し、その身の強ばりを解くと、不意に俺の胸に背中を預けてきた。

「そうね、つきあうってこと」

名無子が彼女を抱く俺の手に陶土にまみれた手を重ねた。



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