続きの仕方 (ページ3/11)
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ちょ……なんか名無子、俺の奥さんみたい……。

お揃いのエプロンがまた偽りの新婚気分に拍車をかける。
名無子がこんなふうに毎日家で待っていたらすごくいい、なんて願望がポンっと頭に浮かんで、俺はそれ以上名無子の姿を見ていられずにあからさまに視線を泳がせた。

「なによぉ〜、そんなに顔赤くしてムッとすることないじゃなぁ〜い」
「いや、ムッとしてるわけじゃ……」

俺はもともと布で隠れた口元を手でさらに覆い、動揺を押し隠す。
その横を名無子はサッと通って、サッサとろくろの前の三脚椅子に腰かけた。

「カカシィ、始めるわよぉ〜」

相変わらずマイペース炸裂に事を進める名無子はここでも健在、俺はハイハイと返事をしながら苦笑を漏らす。

「ねぇ、コレどう使うのよ?」
「あぁ、蹴りろくろはさ……」

俺は腕まくりをすると、名無子の隣のろくろを使って説明を始めた。
蹴りろくろは上下二枚の厚い丸板間を数本の軸木でつなげた簡単な作りで、下の板を左足で蹴って回転させ、さらに右足でその板を手前に引きこみ回転力を持続させる。
足の力で生じた回転を利用し、上の板に置いた粘土を成形していくというわけだ。
俺が使い方を見せてやると、すぐに名無子が真似をし、器用にもうまく使いこなしてみせた。



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