好き? のち大好き (ページ5/13)
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「楽しみ……だったってば。でもシカマルの具合が悪くなるほうがイヤじゃない。そんなの、私だって心配になるし……」

言いながら、視線がだんだんと落ちていく。
照れくささと案ずる思いのない交ぜになったものが高じて私は顔をあげていられなくなっていた。
なんだって私はこんなにも恥ずかしくて、こんなにも心配になってしまうんだろう。
この間まで容赦なく憎まれ口を返していた相手なのに今では切なくなるくらい、大事だ――。

「また、別の日に遊びに行こうよ」

消え入りそうな声で告げると、シカマルが上衣の袖で手を拭きだして、それから――ベストを握る私の手をつかんだ。

「――ッ」
「そんなら帰る」

私の返事を待つことなく、シカマルは私の手を握ったまま歩き出した。
シカマルに引っ張られ一瞬よろめいた私はあわてて体勢を立て直し、自分よりも長い足でサッサと歩いていくシカマルに小走りでついていく。
公園を出るあたりになって、小走りの私に気づいたのか、はたまた私の手を握った恥ずかしさを克服できたのか、私のことを引っ張る様にして歩いていたシカマルがその歩幅をせばめてくれた。
スッと、私が歩くのにも楽になる様な歩幅と速さにしてくれて、おかげで私はシカマルの隣に並んで歩けるようになった。
そんなささいなことに満たされて、さらには手を包むシカマルの温もりにほぅっと幸せ感がこみ上げる。
その温もりが突然ぎゅっと強まった。



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