好き? のち大好き (ページ3/13)
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時間にまったく気づいていなかった表情でシカマルは公園の時計に目をやり、私の言葉にうなずいた。

「まぁ、女が遅れんのは常識だからな。気にしねぇーよ」

だるそうに目を伏せて、それから気合を入れるように勢いよく膝に手を置き立ち上がる。

「よし、じゃあ行くか」
「……」
「なんだよ?」

何も言わず自分の顔を覗きこむ私を見て、シカマルは目を眇めた。
私はほんの少し首を傾げながら自分より背の高いシカマルを下から上目遣いに見上げる。

「ねぇ、シカマル、昨日ちゃんと寝た?」
「寝たよ」
「どのくらい? どこで寝たの? 家?」
「……」

矢継ぎ早に訊ねた質問に返ってきたのは沈黙で、私は、やっぱり、とため息を吐きだした。

「昨日、任務だったんでしょう?」

確信めいた響きで問いかけると、シカマルがパンツのポケットに手を突っ込んで不機嫌そうに視線をそらした。
その様子でシカマルが昨日任務に出ていたことは明白、しっかり寝てないことも簡単にうかがわれた。
中忍ともなれば決して珍しい話ではない夜通しかけての作戦にでも参与していたのだろう、今日のシカマルはその疲れのせいかひどくくたびれた雰囲気があり、顔色もよくない。
忍服だって良く見ればところどころ汚れ、埃っぽさは否めなかった。



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