好き? のち大好き (ページ2/13)
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14日ホワイトデー当日、私はシカマルと約束した公園にパタパタと大慌てで現れた。
待ち合わせの時刻は11時、なのにもうすでに5分過ぎてしまっている。

あぁ、もう、早起きしたのに遅刻ってッ!!

私は自分の段取りの悪さに石つぶてでも投げ込みたい気持ちでいっぱいになった。
そう、早起きはしていたのだ、早起きは。
しかし、今朝起きてから昨日着ていくことを決めたはずの服に、やっぱりアレがいいんじゃないか、コレのほうが可愛く見えるかなどと思い出したが最後、再び緊急検討会へと突入し、以下同様ヘアスタイルもお化粧も散々考えあぐねることとなる。
そうして結局、楽々間に合うはずだった待ち合わせの時間にも楽々5分を過ぎる大失態、というわけだ。
予定では待ち合わせの10分前には公園に着いてシカマルを待ち、「悪ィ、待たせた?」「ううん、私も今来たとこ」くらいの会話を交わし、ちょっとは女の子らしいとこをみせようと思っていたのに、それも完全水の泡だ。
私はハァハァとまっ白な息を吐きながら公園へと駆けこんで、シカマルの姿を探した。

あ、いた!!

すぐに見つけたシカマルの姿は公園のベンチの上にあった。
いつもと変わらぬ忍服姿でポケットに手を突っ込み、丸めた背中を背もたれにあずけて足は前に投げ出している。
陽だまりの中うつむきがちに座っている姿を見つけただけで心が沸き立つ感じがした。

「シカマル!」

息を弾ませ呼びかけると、下を向いていた顔がムクッとこちらにあげられた。
私はそばにタタッと走り寄り、その斜め前で両手を合わせる。

「ごめん! 遅れちゃった……」
「ん? あぁ、もう11時過ぎてんのか」



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