EMERGENCE-1 (ページ4/12)
「うぎゃあぁぁぁぁーーー!!」
私はシカマルの胸ぐらを掴んで叫んだ。
「早く取れえぇぇ、シカマルーー!! 青虫、毛虫はダメえぇぇ!!」
ガンガン揺さぶられながら、シカマルがめんどくさそうに返事をする。
「あぁ、ハイハイ。わかったから手ェ離せ」
「うひいぃぃぃっ」
私が手を離すと、シカマルが道に落ちている小枝を拾って私の肩の青虫チャンをその枝に乗せた。
「ホラ、青虫」
わざわざ私の顔の前に青虫を差し出す。
「やめんかあぁぁ!! 見せんでいいわあぁぁ!!」
「なんだよ、オイ。青虫だっていつか綺麗な蝶になるんだぜ? 危険な任務にろくに出られねぇ青虫忍者が青虫イヤがってんなよ」
グサグサッ……。
あぁ、どうせアタシは青虫忍者さ。
でもさ。でもさ。
「……ほんとにちゃんと修行はしてるんだよ?」
道ばたに青虫チャンを放してやっていたシカマルが私に目を向けた。
「んじゃ、青虫脱してそろそろ蛹ってとこか。蝶になるにはまだ早ェもんな。けど、ま、そんなら大丈夫だろ」
「は? 大丈夫?」
何が?
首を傾げた私にシカマルがニヤッと笑った。
「もうすぐ綱手からお呼びがかかるぜ? さっき、そう言ってた」
え?
そ……それってまさか。
パタパタパタと軽い羽ばたきの音がして、さっきまで青虫チャンがいた私の肩に連絡用の小鳥が留まった。
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