嫌のち好き? (ページ5/10)
カカシ先生と別れ、待機所を後にした私は途中何人かの人と行き合うものの、ろくに顔もあげずすれ違い、トボトボと建物の玄関口へと向かった。
カカシ先生の存在は私にとって雲の上の人過ぎて恋に恋してるような状態ではあるのだが、とはいえチョコさえ貰ってもらえないとなると確かにしょげる自分もいる。
カカシ先生の手に渡るはずだったチョコをいまだ自分の手の中に収めたまま複雑な心境で廊下を歩いていると、横からパッとそのチョコを取り上げる人物がいた。
え? と慌ててそちらを見れば、そこには先ほど一度姿を消したシカマルが立っている。
「ちょッ……何すんのよ」
若干意気消沈ぎみ、言葉の勢いも減少傾向で問いかける私をシカマルは面倒くさそうに眺めて、面倒くさそうに告げた。
「コレ、俺が貰ってやるよ」
「はぁ?!」
私が呆気に取られている間にシカマルはスタスタと建物を出ていく。
私はその後ろ姿をしばらく見送った後、慌てて追いかけた。
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