嫌のち好き? (ページ2/10)
ムカつく〜!!
ホントその通りなんですけど!!
言い返しの余地もないシカマルの洞察力に私は心の中で肯定の言葉を逆切れ同然で叩きつける。
なんだってわかるんだ、お前は!!
そして、なぜわかられてしまうんだ、私の言動は!!
く、悔しい〜!!
できることなら地団太くらい踏んでしまいたいところだが、シカマルという敵の前でそんな大人げない行為にも及べず、私は顔を歪めるだけに押し留まる。
するとシカマルがその表情を上から不敵に見下した。
「ははぁ〜ん、俺に自分の考えがわかっちまうのが悔しいって? バカじゃね? お前の考えなんかすぐわかるさ。なんたってお前、単細胞だからなぁ」
「なぁんですってぇッ〜?!」
顔色を変えて叫ぶ私をシカマルが鼻先で一笑に付した。
「ほーら、単細胞。ま、それだけでわかるわけじゃねぇーけど。んなことよりいーのか、待機所、すぐ近くだぞ? カカシにまで聞こえんじゃねぇーの、お前の雄叫び」
シカマルの忠告にハッと我に返る。
そうだった、シカマル相手に怒鳴るクソ可愛くない私の濁声なんてカカシ先生に聞いてほしくない!
シカマルのことなんかほっといて早く先生のとこに行かなきゃ!
私はプイッとシカマルに背を向け、待機所まで走り出した。
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