a meteor-2 (ページ12/13)
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前日同様、綱手様から頼まれた雑用的な事務仕事をしていると、テンテンが作業室に顔を出した。

「あ、また今日も事務処理押し付けられてるのね? かわいそうに〜」

テンテンは茶化すような口調で言いつつ私の目の前まで来ると、その右手に握られているシャーペンにスッと手を伸ばしてきた。
そして、

「隙あり、名無子!!」

そのままテンテンはパッと私の手からシャーペンを取り上げる。

「もらったぞぅ〜」

満足そうに呟くテンテンに私は全く動じることもなく、その顔を見上げ二コリと笑う。
さすがにその表情には不審に思ったらしい、テンテンが、ん? と首をひねった。

「なによ、昨日まであんなに拒否ってたのに。今日はずいぶんあっさり渡すじゃない」
「まぁ〜ね!」

私はもう一度テンテンに笑いかけ、その笑みにテンテンは気持ち悪ゥ〜と舌を出す。

もうね、触らせてあげる。
だって、ネジの唇の温もりをそのシャーペンに閉じ込めておく必要はなくなったから。
今は私にも触れられるものになったから。

私は昨日ネジの唇が触れてくれた頬にそっと手を当てる。
思い出される感触にポワッと頬が上気した。

「ちょっと、ちょっとどうしたの、名無子? なんかいきなり赤くなってるけど?」
「な、なんでもない、なんでもなぁ〜い」

テンテンの驚く声に私は幸せいっぱいに答えて返し、手元の書類に目を落とした。





for dear MIA.
20101230
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