a meteor-2 (ページ10/13)
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私があなたを好きになったのはあの流星群を見た日よりももっとずっと前。
物理の宿題を教えてもらった日よりもさらに前。
だから。

「それだけは絶ェ〜対私の勝ち!」

毒気を抜かれたようにネジが私を凝視して、その直後、クスリと笑いをもらした。

「そうだったのか」

ネジの微かなほほ笑みは私の想いがネジに伝わったことを証明するには充分すぎるもので、私の体腔を幸せでいっぱいに満たしてくれた。
互いに小さく笑って、二人で気恥ずかしげに顔を見合わせる。
きっとここが暗がりでなければ、私もネジも顔を朱に染めた相手の姿を拝見できてしまっただろう。
ネジが赤くなるなんてちょっと信じられないが、でも彼をそうさせたのはまぎれもなく私自身なのだと思うと、私の胸は激しく早鐘を打ち始めた。
そのドキドキ感に耐え切れずうつむく私の頭上にネジの声が降ってきた。

「マフラー貸してくれないか? 体が冷えてきた」
「あ、ごめん! 私だけマフラーしてたね」

私はいそいで首からマフラーをはずし、ネジに手渡す。
それを受け取り、ネジは私の顔をのぞきこんだ。
どうかした? と首を傾げた私のそれに、ふわりと毛糸がかけられる。
え? と思う間もなく、ネジは私と自分の首を一緒にクルリとマフラーで巻き、一つの輪の中に閉じ込めた。
マフラーの作るたった一つの小さな円。
その内側に私とネジの首がおさまり、非常な至近距離で顔を寄せ合う。


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