a meteor-2 (ページ8/13)
「アカデミー時代に連れてきたときと同じ反応だな。飽きもせずずっと喜んでるあたり本当に変わらない。まぁ、でも、だからいいんだろうな」
ネジの言ってることの真意をいまいちつかみそこねて、私はキョトンとネジを見つめる。
その視線をネジがまっすぐに受け止め返してきた。
「俺はお前とここに来たあの時ひとつ誓ったことがある。俺がもっと成長して自分の越えるべきものを制圧したら、そのときは必ずお前を迎えにこようって。俺はそう誓ったんだ」
誓ったって……え、何……。
迎えにって、どういうこと?
ネジの視線に、言葉に、あからさまな動揺を見せる私の頭は面白いほどに空回りしていく。
空回りさえもがフリーズし、完全な機能停止を見せたとき、ネジが私に重ねて言った。
「あの時の俺は人を大事にすることなんか到底できやしない状態だった。とにかく心を占める闇が深すぎたんだ。あれから俺はアカデミーを卒業し、初の中忍試験では嫌でも多くを学ばされた。下忍から中忍を経て、今日、上忍にまで昇格できた。ここ数年で、自分で言うのはなんだが、確かに成長はしたと思う。そう思えたから、今夜お前を迎えにいった」
何も言えずにいる私の頭上を今もまた星は音もなく流れているのだろう。
それを確認するどころか、私はネジから視線をはずすことさえできず、呼吸すらしているのかどうかもよくわからないでいる。
感じられるのはやたら大きく耳元で響く自分の心音。
その音を飛び越え、ネジの強い声が私にはっきりと告げた。
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