a meteor-2 (ページ6/13)
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ネジとの深夜の外出――いったい何年ぶりだろうか。
アカデミー時代、12月の真夜中に二人で双子座流星群を見たことがあった。
アカデミーを卒業して4〜5年経つのだから、あれももうそのくらい前の話ということだ。
それだけの時間を経てしまったが、あの時のドキドキ感は今でも忘れてなんかいなかった。
深夜の内緒の外出、部屋にまで迎えに来てくれたネジ、それはまるで王子様との逢引きのような、逢瀬を待つお姫様のような、そんなシチュエーションに見えてすごくドキドキした。
そして流星群の下、二人で一緒に一本のマフラーを使い、暖をとったこと。
あの時のマフラーは古くなってよれよれだけれど、大事なシャーペンと同様、捨てることなんて到底できず、今でもクローゼットの奥に大事にしまってある。
あの頃から、いや、それよりもさらに前からずっと好きだったネジ、その気持ちは今でもまだ変わってはいない。





深夜12時も過ぎ、家族もみな寝室にひきあげたのだろう、家の中は静まり返り、その静けさを聞きながら、私は自室でネジの来訪を心待ちにしていた。
服もパジャマから私服に着替え、ベッドに腰掛けた私は、暗がりの中でよく見えないにも関わらず何度も手鏡を覗きこみ、自身の姿チェックに余念がなかった。
前髪を指先で触り軽く整えていたとき不意に外で人の気配がし、直後、コツコツとバルコニーに面した窓ガラスが遠慮がちに鳴った。
数年前と同じように、12月の真夜中1時にネジが迎えにきてくれた。




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