a meteor-2 (ページ5/13)
ネジが立派だからこその推薦であり、受かる可能性が充分あるからこその受験なのはわかっているが、ちゃんとその結果を確認するまではどこか不安があるのも確か、しかも好きな人のことなのだから心配な想いも尚更で、テンテンとの先ほどのやり取りのように合格していると信じていてもどうにもその気がかりさは拭いようがなかった。
ネジがうつむく私の頭にポンと手を置いた。
「誰が試験受けたと思ってるんだ、俺だぞ。落ちるわけないだろう」
え、じゃあ……。
バッと顔をあげた私にネジの視線が絡みつき、毅然と言い放った。
「当たり前だ、合格だ」
「ホントに!! すごい、ネジ!! おめでとう!!」
さっきまでのモジモジ態度とは一転、立ち止まった私は我がことのような喜びようで両手をあげ、万歳したみたいな格好で祝辞を述べる。
その姿にネジが呆れたように微笑んで、それでも嬉しそうな瞳を見せた。
「祝賀代わりにお前、今夜付き合え。夜の1時頃迎えに行くから」
ネジはそれだけ言うと、「俺はこっちだ」と分岐路で私と別れ、颯爽と駆けていった。
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