a meteor-2 (ページ1/13)
火影邸の作業室で簡単な書類チェックをしていたらテンテンがやってきた。
部屋の引き戸式の入り口から顔をのぞかせ、こちらをうかがう。
「名無子、何してんの〜?」
私は机の上の書類から面をあげた。
「書類に不備がないかチェック入れてるとこ。火影様に頼まれちゃって」
テンテンは入口から私のほうへと近づき、私が使用している机の前に腰かけた。
「なるほど、お疲れさま」
言いながら苦笑いを浮かべたところを見ると、テンテンも綱手様の人使いの荒さに苦労している一人なのだとよ〜くわかる。
「テンテンもこき使われてるんだ?」
「シー! そんなセリフ聞かれたら半殺しにされちゃうわよ!」
「もう、半殺しって〜、オーバーなんだから」
口の前に人差指を立て、大げさに声をひそめるテンテンに私はプッと吹き出し、それにつられてテンテンも笑いをこぼす。
クスクスと二人で笑いを交わした後、テンテンはふと私の右手に目をとめた。
「あれ? 名無子、そのシャーペンまだ使ってるの?」
テンテンが机の上に組んだ両手に顎をのせ、指摘してきたのはアカデミー時代の放課後、ネジの唇をその上端部に受けた特別なシャーペンだった。
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