a meteor-1 (ページ3/8)
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「まぁ、賢いお前のことだ、運だけで乗り切ったわけでもないだろ、実力だな」
「違う違う!」

名無子がすぐさま否定した。
恐縮しているのか胸の前に両手を掲げ必死に振っている。

「ネジのおかげだよ。放課後宿題を見てもらった日以降も何度も教えてもらったし」

名無子がその手を止めて、ありがとうと礼を言う。
それから上目遣いにそっと俺の顔をうかがってきた。

「それでね、ネジ。今日よかったらこの後お団子でも食べにいかない? 今までのお礼に私、おごっちゃう」
「それは無理だ。俺は今から修業に行く」

俺の取り付く島もない返事に名無子がしゅんとうなだれた。

「だが夜なら構わない」

無意識に口が動いていた。
言ってしまってから内心おおいに焦りまくる。

何を言っているんだ、俺は?
どうしてそんなこと……。

「夜?」

名無子が首を傾げて俺を見る。
いまさら言わなかったことになどできず、俺は仕方なく言葉を継いだ。

「あぁ、ちょっと行きたいとこがあって……真夜中なんだが……つきあうか?」

俺にしては珍しく歯切れの悪い問いかけに名無子は眉を開きコックリ頷いた。

「じゃあ今晩1時頃、部屋まで迎えに行く」

そう言い残し、俺は逃げる様に教室を飛び出した。





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