a meteor-1 (ページ2/8)
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だけどいざ勉強を見てやれば高慢どころか見た目通りの柔らかな奴だった。
俺が教えることを素直に聞いては感心し、自力で解けた問題があれば満面の笑みで喜ぶ。
物理の本試験の時なんかは試験開始直前シャーペンを握りしめて真剣に神頼みしてる様子だった。
その姿にはちょっと笑った。
頭がいい割りには妙に素直でおかしな奴。
そんな名無子になんでも尖ってかかる自分の気持ちがほんの少し凪いだ気がした。





物理のテストが返された日の放課後、帰ろうとしている俺のところに名無子がやってきた。
顔から笑顔がこぼれ出ているところを見ると、どうやら答案の点数はなかなか良かったと想像できる。
案の定、俺の前に立った名無子がニコニコと告げた。

「物理、無事、平均点以上だったよ、ネジ!」

その満足げな様子に苦笑が漏れる。

「よかったな、テスト開始前に神頼みしてた甲斐があったじゃないか」
「えッ……な、な、な、な、な、な、な、なんで、それをッ?! 見てたの?!」
「どもりすぎだ、お前」

相変わらず感情丸出しであぁぁぁぁと慌てる名無子に俺は事もなげに告げてやった。



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