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先日提出した物理の宿題用紙が返されたのは本日午後の授業でだった。
テスト形式の宿題は問いの下に解答欄があり、そこを記入して提出、先生が採点してくれたものが後日返却されてくる。
他の科目は問題ないのにどういうわけか物理だけは大の苦手で、今回の宿題もやばい感触いっぱいで終えた私は案の定返されたプリントを見て眩暈を覚えた。
自分が書いた解答にはどれも立派なバツがつけられ見るも無残な痛々しさ、さらにはプリントの右上に燦然と輝く鮮やかな朱色の数値が私の目から心臓に直球勝負で突き抜けた。
あぁ、これは……なんたる点数……。
低い、低すぎる――。
席に着くなり頭を抱え込んだ私に教壇からの先生の声が実に見事なタイミングで追い打ちをかけてくる。
「名無子〜、授業終わったらちょっと来〜い」
はぅぁ〜、きっと点数が悪いせいで呼び出しだ……。
私はショックに顔をあげられぬまま情けない声を出す。
「ふぁぃ……」
私の悄然とした返事を受け流し、先生は別の相手に呼び掛けた。
「それとネジ〜、悪いがお前も来てくれ〜、頼みたいことがある」
「はい」
私とは対照的にパキッとした返事がネジから発された。
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