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夕刻の日差しが差し込むアカデミーの教室で私は唸り声をあげた。

「え〜っと……? これは、う〜ん……?」

階段教室中程の窓際の席に陣取って、私は机上に置いた宿題用紙とにらめっこしていた。
隣からはネジの落ち着き払った声がかかる。

「それは教科書58ページのこの公式を使えば解ける」

長い指でプリントのすぐ横に広げてある教科書をトントンと叩かれ、慌ててそのページを見る。
私は納得の表情を浮かべ頷いた。

「なるほど、ここでこの公式を使うんだね〜」
「使えと言わんばかりの問題だが」
「も、もう、ネジの意地悪……。私が物理、底なしにダメだって知ってるでしょ?」

どこでどの公式使うかわかったら、こんなふうにはなってないんです〜。

私は隣に座って辛抱強く物理を教えてくれるネジに困ったように眉を下げた。





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