over the dark (ページ11/15)
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カカシの、変に威圧感のあるまなざしが俺を見据えて、

「お前のやっていることはガキと同じだろう? それじゃ名無子に合わす顔がないな」
「…ッ、なんで名無子が出てくんだよ? アイツは関係ねぇーだろ? もうとっくに別れてんだからよ」

俺が買い言葉ともいえる言葉を乱暴に返すと、

「だからガキだって言うんだよ!」

カカシは、いきなり俺の頬を殴りつけた。
バンッと、廊下の壁に体ごと叩きつけられ、顔と背筋に痛みが走る。
俺は壁を背にしゃがみ込んだまま、

……ッてぇー。

拳で口元をぬぐうと、ギッとカカシを睨みあげた。
何すんだよ、と叫ぼうとした俺より先に、カカシが口を開く。

「次々いろんな女と付き合って、自分の気持ちを見ないフリか?」

―――ッ。

カカシのまっすぐな視線が、言葉が、俺の胸を抉る。
思わず声を飲んだ俺に、カカシは続けた。

「名無子のことは忘れられないけど、支えていく自信もない。だから、そうやって逃げてんだろ、すべてから? 楽なもんだよな、お前。自分のことしか考えてないなんてさ。お前には名無子がどれだけお前のこと思ってるかなんてわかんないだろ?」
「……」



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