over the dark (ページ10/15)
蒸し暑い日だった。
ただでさえ気分もスッキリしないのに、任務も面倒で、終了時間も予定よりずいぶん遅くなった。
俺はそんな小さな一つ一つにイライラしながら火影への報告を済まし、外へ通じる廊下を歩いていた。
向かいから、カカシがやってくる。
『覚悟がないのなら会う資格はナイよ』
カカシ……。
俺の脳裏にカカシの声が響き、俺はなんとなく目を伏せてすれ違おうとした。
肩と肩がある一点で重なり、行き違う。
そのとき、
「ガキ」
確かにカカシがそう言った。
―――ッ!!
俺はイラッときて勢いよくカカシを振り向いた。
「ガキってなんスか?!」
カカシが興味なさそうな顔で俺を見る。
「ガキにガキと言ってなにが悪い?」
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