over the dark (ページ7/15)
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カカシが真面目な目をして俺の顔をのぞきこんだ。
その目に自分の胸がドクンと鳴る。
名無子を好きって思いは確かなもので、それは絶対に間違いじゃない。
でも、手や足が動かなくなって、瞼や口、それに体内のあらゆる臓器まで動かなくなっていって。
そんな状態の名無子と生活するっていうのは、一体どんなものなんだろうか?

『好きとはいえ、ずっと面倒見ていける?』

カカシの問いかけが、俺の体の奥底にズシッと響いた。
何も答えられずにいる俺に、カカシの穏やかな、そのくせひどく明瞭な声が突き刺さる。

「そういう覚悟がないのなら、シカマルに彼女と会う資格はナイよ。会っても彼女を傷つけるだけだから」

資格って……。
それなら、俺は…俺には……。

「俺……」

覚悟くらいあります!
そう言いたいのに、声が俺の咽喉に貼りついて出てこない。
いや、出てこないんじゃない。
俺には出せなかったんだ。
カカシ達の話に、俺は足も気持ちも竦んでた。
怖くなって。
俺は二人の話に怖くなって、その場から逃げだした。





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