over the dark (ページ4/15)
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名無子ッて言ったよな?
アイツら、確かにそう言ったよな?!
でも、病気……って。
病気ってなんだよ?!

俺は我を失って、二人の元へ駆けよった。

「オイッ、名無子ッて!! 今、名無子って言ったろ?! アイツのこと何か知ってんのかよ?! っつぅか、病気ってなんだよ?!」

掴みかかりそうな勢いの俺に、カカシとサクラは一瞬目を見開いて、すぐに、しまったという表情を浮かべた。

「なぁ、アイツ、病気なのかよ?! 俺、そんなこと一言も聞いてねぇーし!! 二人とも何か知ってんだろ?! 教えてくれよ! 頼むから!!」

俺の必死の形相に、サクラは困ったようにカカシを見上げた。
その視線を思案気な顔で受け止めて、カカシが口を開く。

「お前が病気のこと聞いてないのは当たり前。名無子が話してないんだから」

話してねぇーって……。

「…なんで、なんで俺には話さねぇーんだよ?」

俺の問いかけに、カカシがふっと息をついた。

「彼女の病気は治らないから」

―――治らない? だと?



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